2014年11月30日日曜日

武士の気迫

もう日付を越えましたが、今日のNHK杯での羽生くんの演技を繰り返し見てました。

五輪王者・世界王者・GPF王者の三冠を背負って闘う彼を見始めた今シーズン、いつも縁起の良い出出しで始まるフィンランド杯の欠場を決めた時から、ん〜〜、という予感のいうなものがあった気がします。万全を期しての中国杯で、今まで見たことないような衝突・転倒・流血事故をライブ放送で見てまして、ああっっっ!!!と叫んでそのままテレビ前でフリーズしました。硬い冷たい氷上で羽生くんが苦しげに横たわっているにも関わらず、一向に助けに来ない運営スタッフに殺意すら覚えました。正直。
   日本の誇る宝石に何しやがる!?と、さっさと救出にやって来ない中国運営陣に血管切れそうな思いで画面を見ていて全然起き上がれない羽生くんの姿にどんどん不安が募るばかり。ようやくやってきたけど、担架もないんかい!?起こして歩かすんかい!?と、アンビリーバブルな展開に、怒りが湧くよりも余りにも無いわ〜、、、なドン引きな気持ちになりました。今、書いてるだけでも蘇ってきてムカムカする。本当にあれはやっちゃあいけない運営の最たるものだと思います。(今だからこそようやく書けます。)

       でも。

本当に自分でも自分のことが信じられなかったけど、助け起こされた羽生くんの姿が壮絶なまでに美しく感じられて、自分のことをひとでなしろくでなしあんぽんたん〜!!!と思ったのですが、細くて白くて美しい彼の首を彩る紅い血が、形容できない程鮮烈に目に
焼き付いて。              身動きできませんでし
た。目が吸い付いて離せなかった。


      その後、何とか起き上がって血を手に取り眺めた彼の表情。観客席を見渡した時。
治療に向かう時。ぶつかったハンヤン選手を気遣う彼。
  応急処置を終えて戻ってきた時の痛々しいバンデージ姿。リンクサイドで涙を拭いた時、きっと悔しいけど棄権かな、と思った数十秒後、「出ますか⁉️」という解説の驚愕の声を背にリンクに飛び出す彼。
       まじか?大丈夫か?危険は無いのか?とびびる反面、羽生くんの眼にやったるぜ❗️という決意の二文字を見た瞬間、ああもう誰も彼を止められないのね、と思いました。そうなら自分を信じてやるしかないし、もういったれ!と。

余りにも凄絶で壮絶で美しい彼がものすごい闘志と気迫を込めて氷上に立っていました。私は息を飲むというのはこういうことなんだと後で思いましたが、余りにも高い、高すぎるに程がある彼のプライドを目の当たりして、不謹慎だけど嬉しかった。
お母様やご家族のことを考えると土下座じゃすまないのですけれども。
心配を突き抜けて、闘う日本男子がこんなにも胸を熱くさせる。崇高な存在をそこに見た、見てしまった。もうこちらは見届けるしかない。そんな彼の覚悟が画面越しにでもバシバシに伝わってきて、もう震えながら見るしかなかった。
   あれだけのダメージを受けてまともに滑れるわけ無い。何度も転倒した。でも立ち上がり、また転んでも立ち上がり、ファントムの朗々とした旋律とドラマチックなまでに共鳴した羽生くんの姿は、スケート競技の採点とはもう別次元で、何に例えていいのかもう分からない!    心が持っていかれました、としか言えない。

        魂を震わせる渾身のスケートでもぎ取った銀メダル。
今日のNHK杯、調子が戻らず苦しい試合でしたが、なんとか4位に食い込み、GPFへの出場へ繋がりましたね。バルセロナへ行けるのは嬉しいですが、また心配でもあります。
   とはいえ、医者が大丈夫だという診断をし、本人がやれるやる!と言ってんだから、もう最後まで見届けますよ。








   

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